国語専攻
国語の奥深さを学び、国語の面白さを伝える教師に。
先生が面白くわかりやすい授業をするために必要なものが2つあります。1つは、そのものズバリ授業力、もう1つは、授業内容に関する知識です。授業の作り方を学ぶ領域を「教科教育」、内容に関する知識を学ぶ領域を「教科専門」と言います。この2つがしっかりと、バランスよくそろっていないと、よい授業はできません。車の両輪がきちんとしていないと、真っ直ぐ進めないのと同じです。本コースでは、教科教育として「国語科教育」、教科専門として「国語学」「古典文学」「近代文学」「漢文学」を設け、それぞれの分野のエキスパートが授業を担当しています。みなさんには、教科専門の各領域の授業を通して、日本語文化に関する豊かな知識と高い見識を身につけてもらい、それを活かして確かな授業作りをするにはどうすればよいかを国語科教育の授業で学んでもらいます。受ける生徒も教える先生もともに楽しい、そんな授業のできる先生になってもらいたいと思います。私たちは、卒業した後40年間活躍し続ける教師を育てるつもりで、学生たちと接し教育に取り組んでいます。
専攻の特色
授業内容に特色があります。国語学は、日本語の発音や文法の仕組み、歴史や方言について深く学びます。古典文学は、源氏物語や井原西鶴などの平安時代から江戸時代の文学作品を、近代文学は、三島由紀夫・村上春樹など近現代の文学作品を読解し、文学研究の基本を身につけます。漢文学は、李白や白居易などの漢詩、論語などの思想、史記などの史書、「人虎伝」(「山月記」の原話)などの伝奇小説といった様々なジャンルに接し、漢文学の基礎学力を養います。また、国語科教育では、優れた実践例に学んだり教材を読み込んだりする作業を通して、中学校・高等学校における国語教育の認識を深め、教師としての資質と力量を育てます。
カリキュラムの特色
4年間で128単位(約60科目)を履修します。開設されている科目を1年次から4年次へ順番に履修すると、国語学・国文学・漢文学の科目は基礎的内容から専門的内容へ進行し、国語科教育の科目は国語科教師としての力量が備わるように構成してあります。授業には、教員が解説する「講義」と学生が調べて発表する「演習」という2タイプがありますが、学生の調査・プレゼンテーション能力の向上に効果的な演習に特に重点を置いています。これらにくわえ、実践的な感覚を養ってもらうために、学校現場に行って様々な体験をする「実習」を1年次から4年次まで用意しています。
主な授業科目
- 国語学講義
- 近代文学講義
- 中国古典学講義
- 国語科教育研究
- 国語学演習
- 古典文学演習
- 近代文学演習
- 中国古典学演習
取得できる教員免許・資格
- 中学校教諭一種免許状(国語)
- 高等学校教諭一種免許状(国語)
◇また、指定された単位の取得により、下記の資格を得るための条件を満たすことができます。 - 学校図書館司書教諭
- 社会教育主事補
卒業後の進路
- 中学校教員
- 高等学校教員
- 学習塾などの教育関連企業
- 公務員
- 一般企業
- 大学院進学 など
教員からのメッセージ
国語学 勝又 隆教授
「学ぶこと」を学び、「伝えたいこと」を見出す。
「伝えたいこと」が無ければ、教師のことばは生徒の心に届きません。国語専攻の授業では、知識だけでなく、学びの姿勢そのものを学びます。学生はその過程で自らの専門性を高め、「伝えたいこと」を見出し、実践力を磨いていきます。国語専攻の学生は1学年12名。伝統的にまとまりが良く、他の学年との交流も盛んです。教員との距離も近く、きめの細かい指導が受けられます。