国際共生教育コース
異なる文化を持つ人々が共生する社会を目指す。
国際化が時代のキーワードとなって以来、日本社会の様々なところで国際交流の努力が行われてきました。それによって異なった文化を持つ人々と触れ合う機会は増えましたが、個人の意識や社会の制度の国際化という点ではまだ不十分で、多くの課題が明らかになってきています。例えば、仕事や就学のため一定期間日本で暮らす外国人や、すでに二世代三世代にわたって日本に在住する外国籍の人たちとの共生、外国で活動する日本人のその地の人々との共生、さらには長期の外国生活からの帰国者を受け入れる環境の問題などです。
国際化を言葉だけでなく本当の意味で実現させること、すなわち異なった文化を持つ人々が、人権を尊重し合いながら共生する社会を実現させるためには、他者の文化と自己の文化を深く理解するとともに、それを円滑に交流させる能力が必要となります。このコースはそのような素養を身につけることを目指しています。そして、そのような目標のために、異文化間コミュニケーションの能力・スキルを高め、国際理解・異文化教育のための専門的な知識・能力および行動力を身につけることのできる教育環境を整えています。
コースの特色
本コースは異なる文化を持つ人々が共生する社会の実現を推進し、異文化間交流・国際協力活動等において指導者的な役割を果たせる人材の育成を目指しています。そのための基本的な教養として、外国語の修得を特に重視するとともに、異文化理解の前提として自国の言語・文化の学習も大切にしています。本コースには留学を希望する学生も多く、文部科学省の奨学金制度や交流協定校との交換留学制度等を利用して、海外の大学に約半年から1年間留学しています。また、本コースは外国人留学生を積極的に受け入れ、自治体や国際交流団体とも連携することにより、大学内外の様々な場面で多文化共生のあり方を理論的・実践的に学べる環境作りを目指しています。
カリキュラムの特色
まず、専門教育の基礎として、生涯教育の視点や共生社会の課題、人権問題、異文化交流の理論などを学んだ後、三つの領域、すなわち(1)国際関係領域(国家間、民族間、文化間、人間の相互関係を研究します)、(2)日本・東アジア文化領域(日本・東アジアの言語、文学、思想、文化等を研究します)、(3)欧米文化領域(ヨーロッパと北米の言語、文学、思想、文化等を研究します)において専門性を高めます。
外国語科目の充実もこのコースのカリキュラムの大きな特徴です。英語、ドイツ語、フランス語、中国語、ハングル、日本語(外国人留学生のみ)の中から第一外国語と第二外国語を選び、2年次までに集中して学びます。また、インターンシップを専門科目として導入し、さまざまな現場で研修する機会を与えることで、卒業後に役立つ実践的な能力を身につけさせています。
主な授業科目
- 英語演習
- 国際関係論
- 国際開発論
- 国際協力論
- 多文化理解教育論
- 対照言語学
- 中国文化学研究
- アジア地域研究
- アフリカ地域研究
- 英米探求
- 日本の言語と文化
- ことば・ひと・こころ
- インターンシップ
- 海外語学研修
取得できる教員免許・資格
◇履修方法を工夫することにより、下記の教員免許が取得可能です。
- 中学校教諭一種免許状( 社会、英語のいずれか1教科)
- 高等学校教諭一種免許状(地理歴史、公民、外国語[英語]のいずれか1教科)
◇また、指定された単位の取得により、下記の資格を得るための条件を満たすことができます。
- 学校図書館司書教諭(教員免許状の取得が必要)
- 社会教育主事補
卒業後の進路
- 国家・地方公務員
- 国際交流機関・団体
- マスメディア
- 出版業
- 金融機関
- 貿易通商関連業
- 旅行業
- 旅客運輸業
- 情報産業
- 教育産業
- 通訳案内業
- 翻訳業
- 学校教員
- 大学院進学 など
教員からのメッセージ
Todd Jay LEONARD教授
Think internationally, visualize globally, act locally.
国際共生教育コースは、実践的な知識だけでなく、社会に出てから直面する、より大きな問題に答えを見出すことのできるWorld Citizenを育てることを目指しています。学生は、言語、文化、比較教育、異文化理解などの講義や演習を通して、将来に役立つ広い視野や多様な経験を得ることができます。宗像市をはじめとする地域社会における活動や国際交流活動にも積極的に参加しています。私たち教員は、自主的に考え、グローバルな精神を持つ学生を育てることを目標としています。アカデミックな面のみならず、地域そして世界におけるよりよい市民となれるよう、学生の指導に全力を尽くします。